昭和初期の煙草パッケージ (6)
今回紹介するのは「SOWER」「Chesterfield」「HAPPY HIT」「Nelson」「CROWN」「BLACK EAGLE」の6つ。
コレクションについての概要は以下からどうぞ。※地名などはコレクション上の表記を踏襲しているため当時の名称が含まれます
23. SOWER
- 20 CIGARETTES
- A-LoPATo SoNS LTD. HARBIN
「SOWER」とは、「種をまく人」という意味。箱の形状をしていないが、一面だけ切り抜いた状態なのだろうか。珍しく20本入なので、大きい箱だったのではないかと思う。それにしても社名の「o」の字が独特すぎる。
昭和14年、京安にて。
24. Chesterfield
- LIGGETT & MYERS TOBACCO CO.
Chelsterfieldとは、地名であり、人名であり、「肘掛けのある大型ソファ」のことであるが、イラスト的には恐らく地名だろう。どんなところだろうかと思い調べたところ、なんとも風変わりなねじれた屋根のある教会があるらしい。イラストには載ってないけど…さらにイギリスの地名であるが、製造会社はアメリカの会社であった。
25. HAPPY HIT
- 拾本入
- 定価拾五銭
- アメリカンタバココンパニー
昭和15年、アメリカの煙草。イラストの通り、的が名前の由来だろう。
「BURLEY CIGARETTE」の文字上に謎の「B」という文字が単体で書かれているが、左上の封のシールを見るに、どうやら「HAPPY HITのB(タイプ)」のようだ。HAPPY HIT 「A」もあったのか?
26. Nelson
- NTERNATIONAL TOBACCO (OVERSEAS) LTD,. LONDON
昭和10年頃、英国の煙草。見づらいがよく見ると左側にスタンプが押されており「NAVY CUT CANCELLES MONOPOLY BUREAU」と書かれている。monopoly bureauは「専売局」の意味。一体何がキャンセルされたのか…?
なお、「Nelson」はアメリカ独立戦争、ナポレオン戦争などで活躍したイギリス海軍提督であるホレーショ・ネルソンのことで、検索するとパッケージイラストまんまの角度の肖像画が出てくる。
27. CROWN
- 10 Cigarettes
- JOHN SONS WORKS LIMITED LONDON (ENG)
これも英国の煙草で、昭和14年頃のものらしい。入手場所は京安。
個人的にはなかなか好きな色合いで、暗闇の中に浮かびあがる、古い劇場の舞台に見えてくる(ロンドンのハー・マジェスティーズ・シアターを思い出す)。
28. BLACK EAGLE
- JOHN SONS WORKS LIMITED LONDON (ENG)
名前の通り、パッケージには黒鷲が描かれている。よく見るとこれもCROWNと同じメーカーである。恐らく同じ頃に購入した煙草だろう。写真だと分かりづらいが、グレーに見える部分はほのかに銀色で、少しだけキラキラしている。
今回はこれにて。