昭和初期の煙草パッケージ (5)
今回紹介するのは、「PIGEON(ピジョン)」「HAPPY」「扶桑(ふさう)」「HOPE(ホープ)」「PEARL(パール)」の5種。
コレクションについての概要は以下からどうぞ。
※地名などはコレクション上の表記を踏襲しているため当時の名称が含まれます
18. PIGEON(ピジョン)
- 拾本入
- 朝鮮総督府専賣局
同じ昭和10年のものらしいが、後者の方は価格も少しだけ高いので価格帯が分かれていたのだろうか。とはいえ前者が拾銭(10銭)、後者は拾貳銭(12銭)なので、大した差はない。どちらも純喫茶のマッチ箱にでもありそうなデザインである。個人的には赤い箱の、版画のような鳩の方が好き。
しかし前回の「みどり」といい、朝鮮総督府専売局の煙草はあまり情報が拾えない。。
19. HAPPY
- 十本入
- 専賣局
コレクション(2)で登場した「Delicious」といい、素直なネーミングの銘柄は時々出現する。煙草吸うのハッピーだよね、って名付けたのかな、とか考えてしまう。ちなみにHAPPYは後々全く違うデザインのパッケージが登場する。昭和7年、入手場所は支那にて。
20. 扶桑(ふさう)
- 拾本入
- 定価参拾五銭
- 専賣局
昭和純喫茶のマッチ箱のような佇まいである。非常にシンプルな線で描かれながらも、ロゴとイラストのバランスがめちゃくちゃオシャレ。それにしても同年代の他の煙草と比べると妙に高く、1箱35銭もする高級品だ。
ちなみに扶桑とは「中国伝説で東方のはてにある巨木」のこと。昭和12年、日本にて。
21. HOPE(ホープ)
- 拾本入
- 定価拾五銭
- 専賣局
煙草を吸わない私でも知っている有名な銘柄だ。
と、思っていたところ、実はこの頃のHOPEは現在のHOPEと関連はないらしい…。てっきりゴールデンバットに並ぶ長寿銘柄と思っていたが、たまたま同じ名前の、赤の他人らしいのだ。
パッケージに描かれている鳥は「サギ」かな……
22. PEARL(パール)
- 二十本入
- 日本専売公社
他のパッケージとの違いに気づいている方もいるかもしれないが、恐らくこのパッケージはここに載っている他のパッケージとは時代が全然違うものだ。このページに挟まっていたものの糊付けはされていなかったので、恐らく違う時代のコレクションからここに紛れ込んだのだろう。調べたところによると昭和30年頃のものらしい。紙質も斤量も印刷の質も全く違う、戦後の煙草である。
今回はこれにて。