昭和初期の煙草パッケージ (4)
今回紹介するのは、「ゴールデンバット」「みどり」「CHERRY(チェリー)」の3種。
コレクションについての概要は以下からどうぞ。
※地名などはコレクション上の表記を踏襲しているため当時の名称が含まれます
16. GOLDEN BAT(ゴールデンバット)
- 拾本入
- 専賣局
祖父はゴールデンバットを愛飲していたのか、単純にパッケージが好みだったのか、パッケージ違いのゴールデンバットはコレクションの中で度々登場する(ちなみに孫の私もこのパッケージが好きだ)。
昭和7・8年版
まだコウモリたちがキラキラしている時代のものだ。拾本入で定価は7銭。昭和7・8年でも随分古いなと思うが、ゴールデンバット自体は1906年(明治39年)から発売されているというから驚きである(2019年に終売するまでは国内現役としては最古の銘柄だったらしい)
昭和15年版(箱)
「贅沢は敵だ」の立て看板が登場する昭和15年、パッケージからは金色のきらめきがなくなってしまった。拾本入で定価は9銭と少し値上がり。昭和7年版と比較し、箱自体も少しほっそり痩せてしまっている(ということは中身も?)。しかしデザインといい、このグリーンの色といい、相変わらずクラシックでステキ。
昭和15年版(簡易包装版)
箱タイプの煙草しか知らなかったのではじめはこれが何か分からなかったのだが、どうやら簡易包装版というのがあったらしい。
定価は9銭。何本入だったのだろうか?
「ゴールデンバット」の文字が旧式の横書きになると、急にレトロ感が倍増する気がする。駄菓子のガムだとか、昔のホームランバーの包み紙を思い出す…。正面・背面のコウモリが交互に配置されているのもコマ送りのようでカワイイ。
昭和10年・名古屋汎太平洋平和博覧会記念版
もはやコウモリ成分ゼロだがこれもゴールデンバットである。ロゴの名残も無いので、全くゴールデンバット感はない。「10年頃」と祖父メモでは書かれているが、この博覧会が開かれたのは昭和12年のことらしい。
ちなみにこのコレクションでは後半に出てくるが、何かの記念版パッケージの煙草は時折出現する。
17. みどり
- 拾本入
- 朝鮮総督府専賣局
「みどり タバコ」で検索すると、「Midori」が出てくるが同一の銘柄だろうか? Wikiによると「Midori」は第二次世界大戦後初のメンソール商品と書かれているが、祖父メモではこのパッケージは「(昭和)10年頃」のものとなっており、時期が合わない。前身なのか、たまたま同じ名前だったのか。
15. CHERRY(チェリー)
- 拾本入
- 専賣局
前回の記事で紹介したパッケージの通常版である。レトロ少女漫画を想起させるような可愛らしい配色とデザインである。Wikiによるとチェリー自体は「細巻きが特徴の両切たばこ」らしいが、このパッケージのように一時期太巻(MAGNUM SIZE!)も存在していたらしい。
今回はこれにて。